平成23年秋期試験問題 午前Ⅱ 問2

OSPFv2のLSAに関する作成と伝播の記述のうち,適切なものはどれか。

  • AS-External-LSAは,エリア境界ルータが作成し,ASの外部だけに伝播される。
  • Network-LSAは,エリア内の全ルータが作成し,エリア内部だけに伝播される。
  • Router-LSAは,エリア内の全ルータが作成し,エリア内部だけに伝播される。
  • Summary-LSAは,AS境界ルータが作成し,エリア外部だけに伝播される。
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分野 :テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:通信プロトコル
解説
OSPF(Open Shortest Path First)は、主に中規模から大規模ネットワーク向けのリンクステート型のルーティングプロトコルです。

LSA(Link State Advertisement)は、OSPFにおいてリンク状態データベース(Link State Database)を作成するためにルータ間でやり取りされる情報で、OSPFv2では以下の5種類が規定されています。
LSAタイプ1…Router-LSA(ルータLSA)
そのルータがどのネットワークに接続されているかを表す情報で、すべてのOSPFルータが作成する基本的なLSA。情報には「IPアドレス」「リンクの種類」「ルータID」「コスト」などが含まれる。
LSAタイプ2…Network-LSA(ネットワークLSA)
そのネットワークにはどのルータが接続されているかを表す情報で、同一リンク内にあるルータのうちDR(Designated Router)が生成する。
LSAタイプ3…(Network-)Summary-LSA(サマリーLSA)
他のエリアの情報を要約したもので、エリア境界ルータ(ABR)が作成する。
LSAタイプ4…(ASBR-)Summary-LSA(AS境界ルータサマリLSA)
AS境界ルータのIDとそこに到達するためのコスト情報で、エリア境界ルータ(ABR)が作成する。※AS…Autonomous System,自律システム
LSAタイプ5…AS-External-LSA(AS外部LSA)
ASの外側にあるネットワークアドレス情報で、AS境界ルータ(ASBR)が生成する。
5つのLSAのうちタイプ1,2,4はエリア内部のみ、タイプ3はエリア境界ルータ配下のエリア内部とバックボーンエリアの両方、タイプ5はOSPFドメイン全体にそれぞれ伝播します。
  • AS-External-LSAは、AS境界ルータによって作成されOSPFドメイン全体に伝播されます。
  • Network-LSAは、DR(Designated Router)によって作成されます。
  • 正しい。
  • Summary-LSAは、エリアの内部と外部の両方に伝播されます。

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