ネットワークスペシャリスト平成28年秋期 午前Ⅱ 問6

問6

IPv4でのARPを利用したGratuitous ARPの説明として,適切なものはどれか。
  • ターゲットIPアドレスフィールドに自端末が使用するIPアドレスを入れて,MACアドレスを問い合わせる。
  • ターゲットIPアドレスフィールドに通信したい相手のIPアドレスを入れて,MACアドレスを問い合わせる。
  • ターゲットMACアドレスフィールドに自端末が使用するMACアドレスを入れて,IPアドレスを問い合わせる。
  • ターゲットMACアドレスフィールドに通信したい相手のMACアドレスを入れて,IPアドレスを問い合わせる。

分類

テクノロジ系 » ネットワーク » 通信プロトコル

正解

解説

Gratuitous ARP(GARP)は、自端末のIPアドレスをターゲットIPアドレスにセットした特殊なARP要求です。したがって「ア」が正解です。

ARPが本来、通信相手のMACアドレスを得る目的で使用されることだけを考えれば、自身のIPアドレスをターゲットにARP要求を行う意味は皆無です。実のところGARPの目的は、IPアドレスからMACアドレスを得ることではなく、ARPの仕組みを応用した次のような操作を実現するためです。
DHCPにおける重複IPアドレスの検知
  1. IPアドレスの割り当てを要求した端末は、DHCPサーバから配布されたIPアドレスをターゲットIPアドレスに入れてGARPを送信する。
  2. ARP要求は同じセグメント内の端末全てにブロードキャストされる。
  3. もしいずれかの端末からARP応答があれば、そのIPアドレスは他の端末と重複していると判断できる。
フェールオーバー時のARPテーブル更新
  1. 主系サーバから仮想IPアドレスを引き継いだ待機系サーバは、仮想IPアドレスをターゲットIPアドレスに入れてGARPを送信する。
  2. ARP要求は同じセグメント内の端末全てにブロードキャストされる。
  3. GARPを受け取った端末は、その送信元MACアドレスを見て、仮想IPアドレスとMACアドレスの対応情報(ARPテーブル/ARPキャッシュ)を更新する
  4. ARPテーブルの更新によって、仮想IPアドレス宛のパケットが待機系サーバに届くようになる。
  • 正しい。GARPの説明です。
  • 通常のARP要求の説明です。
  • RARPの説明です。記述は外部記憶装置を持たない端末が起動時に自身のIPアドレスを得るために行う動作です。
  • RARPの説明です。
ほとんどのOSでは自分以外をターゲットとするARP要求を無視するようになっているため、(ARPの仕様であるにも関わらず)通常のARP要求によってARPテーブルが更新されることはありません。GARPによってARPテーブルが更新されるのは、送信元IPアドレスとターゲットIPアドレスが同じGARPだけは特別なリクエストとして扱うように実装されているからです。
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