ネットワークスペシャリスト令和4年春期 午前Ⅱ 問22

問22

量子アニーリング方式の量子コンピュータの説明として,適切なものはどれか。
  • 極低温の環境の中で,量子ゲートを用いて演算する。
  • 従来のCPUと同様に命令を使って演算,記憶と制御ができる。
  • 複数のデータに同一の演算処理を高速に実行できる。
  • 膨大な選択肢の中から最適な選択肢を探すアルゴリズムに特化している。

分類

テクノロジ系 » コンピュータ構成要素 » プロセッサ

正解

解説

量子アニーリング方式は、量子特有の性質を情報処理に利用して、組み合わせ最適化問題を解くことに特化した量子コンピュータです。量子コンピュータ実用化の第一歩として研究開発が進められています。

量子論的ゆらぎを使用したプロセスによって、特別な規則や指定によらない解候補の集合から、最適化問題において最小化される関数(グローバルミニマム)を見つけ出す広く認められた方法です。同一の条件のもとでいちばん適している組み合わせを繰り返し見つけ出す回数を、量子重畳原理によって圧倒的に増やせます。膨大な選択肢から最適な選択肢を探す、コンピュータの計算理論における組み合わせ論的な最適化問題に好適であるといわれています。

したがって「エ」が適切です。
  • 量子ゲート方式の量子コンピュータの説明です。量子アニーリング方式では、量子ビットに対してアニーリング操作を行うこと演算します。
  • 量子アニーリング方式の量子コンピュータにおける計算は、イジングモデルと呼ばれる計算モデルを定式化し、その計算モデルに問題をマッピングすることで行います。プログラミングは不要で変数間の結合強度と重みを設定するだけです。
  • 量子コンピュータでは量子の重ね合わせ状態を利用して、1つのデータに対して解の組合せを一括で計算します。古典コンピュータのように同じ演算処理を逐次繰り返すことはしません。
  • 正しい。量子アニーリング方式の量子コンピュータは、最適化問題を解くことに特化した方式です。
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