平成23年秋期試験問題 午前Ⅱ 問15

BGP-4では,BGPルータはAS内のすべてのBGPルータとの間でIBGPセッションを張る必要がある。このときに生じるスケーラビリティ問題を回避するための方法はどれか。

  • カットスルー
  • ファストリルート
  • ラベルスイッチング
  • ルートリフレクション
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分野 :テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:データ通信と制御
解説
BGP(Border Gateway Protocol)には、AS間で経路情報を交換するEBGP(External BGP)とAS内のBGPルータで経路情報をやり取りするIBGP(Internal BGP)があります。

IBGPでは、AS内のBGPルータ間でのループを防ぐために他のIBGPルータから受信した情報を他のIBGPルータに送らない「スプリットホライズン」という機能が働いています。このためAS内のBGPルータが経路情報を共有するためには各BGPルータがAS内の他の全てIBGPルータとセッションを確立する必要があります。
これはn台のルータがある場合には (n-1)×n/2 個のセッションが必要になることを示しており、ルータの台数が増加するほどルータや回線に負荷を与える要因となります。

ルートリフレクションは、ルータが受け取った情報をループを発生させることなく他のルータに転送する仕組みによって確立が必要なセッション数を削減する機能です。
したがって「エ」が正解です。
  • カットスルーは、スイッチの転送方式の1つでフレームの先頭6バイトにある送信先MACアドレスを読取った時点で、データの転送を開始する方式です。これに対してフレーム最後のFCSでエラー検出までを行った後に転送を開始する方式を「ストア&フォワード」といいます。
  • ファストリルートは、MPLSやOSPFにおいてリンクやノードに障害が発生した場合に備えて予め予備のルート(迂回路)を計算しておき、障害発生時の経路の切替え時間を抑える仕組みです。
  • ラベルスイッチングは、IPパケットに「ラベル」という情報を付加し、その情報に基づいた転送を行う技術です。MPLSが代表的です。
  • 正しい。

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